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理化学研究所が184名を違法に雇止め!
技師2人を復職させ、降格した研究者らの
地位を回復してください

   五神 真 理化学研究所理事長殿

理研の非正規雇用問題を解決するネットワーク   

 理化学研究所の五神 真理事長は、2023年3月末までに184名の雇止めを強行しました。

 これは「無期転換ルール」を定めた労働契約法18条に違反する行為です。

 2013年施行の改正労働契約法により、有期雇用労働者は、契約更新で通算5年を超えると無期雇用への転換を申し込めるようになりました。14年、研究者は特例で通算10年に延長されました。

 2016年、理研は一方的に就業規則を変更して、起算点を2013年にさかのぼって、研究者には10年、事務職員には5年の雇用上限を押し付ける不利益変更を強行しました。

 理研は雇用上限を口実にした雇止めを通告。これにより380名が雇用を失う危機にありました(昨年4月1日現在)。裁判などのたたかいにより、一部に降格、キャリアチェンジを強いられながらも196名が雇用継続になりました。しかし、184名が雇止めにより理研での職を失いました。

 理研による雇用上限の押しつけは、無期転換の適用を意図的に避けるための脱法行為です。そもそも有期労働契約の締結後に新たに更新上限を設けることは労働条件の不利益変更にあたります(22年10月26日、衆議院厚生労働委員会での厚生労働省労働基準局長答弁)。労働者に不利益な労働契約の変更は、労働者の合意なしには原則としてできません(労働契約法9条)。無期転換逃れのために雇用上限をさかのぼって押し付け、それを口実にして雇止めを強行するのは明白な違法行為です。

 大量雇止めにより、文部科学大臣若手科学者賞などを受賞し、昨年は国際的な科学誌『ネイチャー』に論文が掲載され、卓越研究員だったユニットリーダーが、中国の大学の教授となったことが、メディアで報じられています。理研は卓越研究員の申請要件を満たすため、ユニットリーダーについて25年3月末まで契約更新可能だと文科省に報告しながら雇止めにしました。国会でも追及され、理研は調査のための第三者委員会を立ち上げました。国に虚偽申請をしたうえ、国益を損ねた理事長の責任は重大です。

 理研は、130頭のマーモセット(南米に生息する小型サル)などの健康管理や実験業務を担当していた技師2名も雇止めにしました。サルの社会性の観察や、各研究チームの依頼でアルツハイマーやうつ病の薬剤実験なども行っていました。特別な訓練を受け、動物愛護法や環境省指針の熟知している専門家です。2人が外されてからマーモセットが死んだという情報が寄せられています。飼育環境の悪化が危惧されます。無職となった2人は、職場復帰を求めてさいたま地裁に提訴しています。

 理研による違法な雇止めの撤回を求めて最初に裁判に訴えた研究室責任者は、雇用継続となったものの一研究員に降格となりました。地位回復を求めて裁判を続けています。

 私たち理研の非正規雇用問題を解決するネットワークは、理研本部のある和光市周辺の市民、労働組合、理化学研究所労働組合の役員などによる有志グループです。理研による違法な雇止めは、日本の研究力に大打撃を与えた蛮行です。二度と繰り返させないためにも、以下のことを理研に要請します。

【要請内容】

  • 違法に雇止めされた技師2人をただちに復職させてください。
  • 降格、キャリアチェンジした研究者らをもとの地位、職場に戻してください。
  • 卓越研究員制度の虚偽申請について、理事長の責任も含めて真相を明らかしてください。