理研ネットロゴ

STOP理研の雇い止め!

大量雇い止めで批判殺到 理化学研究所、雇用上限撤廃の公約を破る

2024年4月26日 理研ネットニュース 2024年春号(第8号)を発行しました




【画像をクリックで拡大します】



【画像をクリックで拡大します】

【A4サイズ二つ折チラシ印刷用pdf】

Change.org 新署名サイト "STOP 理研の雇止め!研究力低下をまねく雇用期間の上限を撤廃してください"
https://chng.it/ZBWZ4Nj2np

理化学研究所の違法な雇止めによる技師2人を復職させる 裁判・交通費支援のための団体・個人カンパのお願い



理研が3月末に16名の雇止め狙う
政府に雇用上限撤廃の指導を要請

2024年3月31日 理研の非正規雇用問題を解決するネットワーク(理研ネット)


厚生労働省への要請

文部科学省への要請

記者会見

 3月27日、非正規雇用問題を解決するネットワークは、理化学研究所労働組合(以下理研労と記す)と北足立南部地区労働組合協議会とともに、国立研究開発法人理化学研究所(以下 理化学研究所または理研と記す)が無期転換逃れの雇用上限を撤廃するといいながら、雇用期間の上限を残し、今年3月末に16人を雇止めにしようとしているとして、文部科学省と厚生労働省に指導を要請しました。

  要請文は、こちら→文科省あて 厚労省あて

  理化学研究所は2023年3月末までに通算契約期間が10年となることを理由にして研究職員の大量雇止めを強行しました。これは、無期転換ルールの適用を意図的に避けるためのものであり、無期転換ルールを定めた労働契約法に反するものです。

 今年度も16名の研究系職員が雇止めされます。

 雇止め当事者の裁判闘争などを受けて、理研は就業規則中の雇用上限規程を廃止すると公約しましたが、「アサインド・プロジェクト」期間(研究系は原則7年、事務系は原則5年)と文言を変えて雇用上限を就業規則に残しています。研究は臨時的・一時的な業務ではなく長期的な見通しを持って行うべきなのに、「アサインド・プロジェクト」は研究内容やその進捗、評価に関係なく契約更新の上限を一方的に押しつけるもので、無期雇用転換権を与えないための脱法的行為です。今後の不当な年限による雇止めを阻止するためには、このような脱法的な「アサインド・プロジェクト」を就業規則から撤廃することが必要です。

 2023年3月末の雇止めにより失職した二名の技師の復職、降格された研究者、キャリアチェンジさせられた研究者らを元の地位、職場に戻すことは、雇止め問題の解決のためには不可欠なことです。

   文部科学省、厚生労働省に対して、監督官庁として理化学研究所に対し
・就業規則から「アサインド・プロジェクト」を削除し、雇用期間の上限を撤廃する。
・違法に雇止めされた技師2人をただちに復職させる。
・降格、キャリアチェンジした研究者らをもとの地位、職場に戻す。
 の3点の指導を要請しました。

 また、文科省に対しては、2018年2月1日の予算委員会で当時の安倍晋三首相が「無期転換による個々の独立行政法人の人事権、人件費への影響については、各大臣において無期転換ルールへの対応が円滑に行われるよう適切に対応してまいりたい」と答弁しているとして、無期転換による人件費増額に対応するように要請しました。 

 文科省で会見した理研労の金井保之委員長は、「雇用の上限がなくなったといいながら実態として残っている。短い期間での雇用では、腰を落ち着けた難しい研究に挑戦できなくなる」と批判しました。(2023年3月には)通算10年以上働く研究者は、研究資金を獲得していても10年で雇い止めされたと述べ、「年数の縛りで雇用を切ろうとしている」と訴えました。


理研が「名大の不正論文」責任著者を採用
「大量雇止めの一方で、処分中の研究者を雇うのか!」
労組の質問への理事長の回答に怒り広がる

2024年2月17日 理研の非正規雇用問題を解決するネットワーク(理研ネット)

 理化学研究所は、1月11日に不正論文の責任著者として、競争的資金の不交付の処分を受けている伊丹健一郎名古屋大学教授を主任研究員として4月から採用する予定であることを公表しました。この理研の人事は、『東洋経済』が「国の研究費配分機関の処分が無効化するおそれ」と報じるなど、大きな問題になっています。
 →https://toyokeizai.net/articles/-/727950

 理研の職員の中では「研究者、技師を大量に雇止めしておいて、処分中の研究者を雇うのか」と怒りが広がっています。

 日本学術振興会と科学技術振興機構は、名古屋大学からの研究不正に関する報告書の提出を受けて、伊丹氏を論文不正に関わったとして、2022年度から24年度の3年間、研究資金を不交付としています。

 ところが理研は、処分中の伊丹氏を研究室主催者として4月から採用しようとしています。

 理化学研究所労働組合が1月22日に「あえて処分中に研究室主催者として採用するのはなぜなのか」「不正の事実を採用審査においてどのように評価したのか」「2024年度において運営費交付金をいくら配賦する予定なのか」の回答を求めたところ、五神理事長は1月31日に以下のように回答しました。

 「学生に対する監督責任が十分に果たせていなかったことは猛省されるべき点であると考えている。他方、告発することで自身が受ける不利益を知りつつも、自身の監督責任の範囲で起こった不正事案を自ら大学に申告し、膨大な調査に対しても真摯に取り組んだことは、監督者としての責任に応えるものであったと捉えている。本件から伊丹氏が得た教訓は、理研での研究活動にしっかりと生かされると考えている」 運営費交付金の配賦については「現時点で予定されている金額はない。今後、2024年度の資源配分の中で調整していくものである」との回答でした。

 しかし、伊丹氏が自ら大学に申請したのは、実験ノートや実験データの喪失という、言い逃れができない極めて悪質な研究不正だったからです。名古屋大学の調査報告書は、再現実験の実行やデータに対する十分な吟味を行っていれば、研究不正を見抜くことは十分に可能だったと厳しく指摘しています。自ら大学に申請したからといって、伊丹氏の責任を免罪することできません。だからこそ、日本学術振興会や科学技術振興機構は、3年間の研究費不交付という処分を下したのです。  理研は、10年前に「真理の探究」をおろそかにし、科学への信頼を深く傷つけたSTAP細胞事件を引き起こしています。その教訓を生かすために発足した「研究不正再発防止のための改革委員会」は、「公正な研究の推進=研究不正行為の防止」を最上位命題に位置付けることを提言しています。

 理研が伊丹氏を採用し、運営費交付金から研究費を交付するならば、これらの処分を無効化し、免罪することになります。そして、これは、STAP細胞事件の教訓を蔑ろにし、最上位命題に位置付けるべき「公正な研究の推進=研究不正行為の防止」に反するものと言わざるを得ません。

 理研の五神理事長は伊丹氏の採用を撤回するべきです。


理研理事長は二名の技師の復職、
降格した研究者らの地位回復の要求を全面的に拒否!

2023年12月28日 理研の非正規雇用問題を解決するネットワーク(理研ネット)

 理研の研究者の雇止め問題解決のための御支援ありがとうございます。 皆さまの御支援(ネット署名 13,592筆と紙の署名 6,102筆、12月13日現在数)に基づき、五神 真 理研理事長に対して「違法に雇止めされた二名の技師の復職、降格された研究者らの地位回復」を求める要求を12月14日に行いましたが、回答期限である本日(12月28日)、理研の非を全く認めず、要求を全面的に拒否する内容の回答がありました。

「違法に雇止めされた二名の技師の復職、降格された研究者らの地位回復」を勝ち取るため、この署名活動は継続し、並行して、団体交渉、東京都労働委員会、裁判の場でのたたかいを継続して行きます。

SNSなどでの拡散をよろしくお願い致します。(Change.org署名 https://chng.it/NNqzLYJFMZ



シンポジウム
「理研の有期雇用問題の解決に向けて」を開催

「有期雇用の使い捨ては変わっていない」
と訴える金井保之理研労執行委員長

シンポジウム会場風景


 2023年11月27日、理研の非正規雇用問題を解決するネットワーク(理研ネット)は、 和光中央公民館でシンポジウム「理研の有期雇用問題の解決に向けて」を開催しました。会場に56人、zoom参加30人で計86人が参加しました。雇止め撤回を求める訴訟の勝利に向けて、Change.org署名(https://chng.it/NNqzLYJFMZ)の協力を訴えました。

 平井康太弁護士が「雇止め訴訟の勝利と有期雇用問題の解決に向けて」と題して講演しました。田村智子参議院議員から連帯のあいさつのビデオメッセージが寄せられました。 雇止め訴訟の原告3人、勝利和解した元原告の2人、平井弁護士、金井保之理研労委員長によるパネルディスカッションを行いました。

 「科学雑誌『ネイチャー』が『日本の研究は、もはや世界トップクラスではない』 と指摘している。理研は世界の研究機関のランキングで100位以下に転落した。こんな雇い止めを続ければ、日本の科学技術はもたない」(原告の上級研究員)、「雇止めされたが、サルを必要とする実験は続き、飼育する必要がある。雇止めされたことは納得できない」(原告の技師2人)、「もっと多くの人が立ち上がれば、雇い止めはやめさせられた」「たたかいを広げないといけないと、私も手をあげた。労組や仲間が心強かった」(元原告の2人)など、議論は白熱しました。

 9月に理研労が行ったアンケートでは、理研の職員の7割が有期雇用であることについて、弊害があると回答した人が70%に上ったことなどが報告されました。  12月15日の口頭弁論の前に、理研当局に署名を届ける予定であることが報告され、署名への協力が呼びかけられました。

2023年11月27日に開催した上記シンポジウムのチラシ



声明:理研の卓越研究員事業の調査
「申請を偽り、雇止めを不問にした悪質な報告書」
を公表しました

2023年10月19日


 19日、「理研の非正規雇用問題を解決するネットワーク」は、声明 「理研の卓越研究員事業の調査 申請を偽り、雇止めを不問にした悪質な報告書 を公表しました。
  理化学研究所が日本学術振興会の卓越研究員事業で「原則7年」と申請しておきながら、採用した元ユニットリーダー(UL)を4年半で雇止めした問題をめぐり、理研が設置した調査委員会(白井幸夫委員長)が9月29日に記者会見を開きました。調査委員会は、法的に問題はなかったとする調査報告書を公表しました。
  元ULは、文部科学大臣若手科学者賞などを受賞し、昨年は国際的な科学誌『ネイチャー』に論文が掲載され、雇止め後は中国の大学で教授を務めています。理研がこの元ULを雇止めしたことは、国会で問題となり、「国益に反する」とメディアなどから批判されています。
  調査委員会は、国会に提出された「雇用期間を原則7年間」と明記した卓越研究員事業の機関申請書(様式1)に触れずに、(様式2)の申請書の「備考欄」の記述を使って、任期は7年に満たないことは明示していたので、4年半しか雇わなかったとしても問題がなかったという結論を導き出しています。また、雇止めの原因となった10年の雇用上限(10年ルール)やそれを元ULに適用したことの当否を調査対象から外しています。
  問題の核心である理研の文科省への申請内容を捻じ曲げ、雇止めの口実となった無期転換逃れのための違法な雇用上限を不問にしたことは、理研の違法行為を隠ぺいするための恣意的な調査と言わざるをえません。
  私たち理研ネットは、こうした調査報告書の悪質さを明らかにするとともに、文部科学省に対して、理研理事長の責任も含めた全容解明を求めるために声明「理研の卓越研究員事業の調査 申請を偽り、雇止めを不問にした悪質な報告書」を公表することとしました。
   声明全文
   理研の研究機関申請書(様式1)(様式2) [参考資料]
   理研の調査報告書は下記から閲覧できます。
    https://www.riken.jp/pr/news/2023/20230929_1/index.html
 


理化学研究所が184名を違法に雇止め !
技師2人を復職させ、
降格した研究者らの地位の回復を

2023年9月15日

金井保之執行委員長の訴え

地裁で口頭弁論

 8日、さいたま地裁で理化学研究所に対して雇い止め・降格撤回を求める裁判の口頭弁論が行われました。雇い止めされた技師2人の復職、雇用は継続したもののチームリーダーから研究員への降格の撤回を求めました。

 理研では、380人が雇い止め対象となり、184名が理研での職を失う一方、雇止め撤回を求めた裁判や理研労のストライキなどにより、196人の雇用を維持することができました。提訴したチームリーダーが研究員に降格し、提訴しなおしました。

 裁判の審理では、裁判長から原告の契約更新の合理的期待権が発生した時期について質問があり、水口洋介弁護士は理研が契約不更新を提示した2016年の前から原告には期待権が発生していたと答えました。

 原告側は、チームリーダーの降格は、理研労組合員に対する嫌がらせであり、不当労働行為だと主張しました。

 雇い止めを強行された動物実験の技師である原告2人について、理研側は「民間業者に委託するから仕事がない」と言っているが、原告側は、業者ができることは「餌やり」「観察」程度しかできないはず、小型サルの手術や麻酔などは技師である2人が必要だと強調しました。理研側に対し、今後も仕事が継続することを示す実験計画書を提出するよう求めました。

裁判の報告会を開催

 裁判終了後、埼玉教育会館で報告集会を開催しました。

 チームリーダー復帰を求める原告は「今回、理研の生命機能科学研究センター(BDR)では、74の研究チームのうち21チームが解散となった。これは無茶苦茶。こんなことをしていては日本の研究力はますます低下する。いわゆる質の高い論文数のランキングで日本はこの20年で4位から13位に落ちた。理事長は部内資料で、今後も有期雇用を使い続けると言っている。研究者や技師を使い捨てるようなことは許されない」と訴えました。

 動物実験の技師2人の原告は「次回の裁判で理研側がどんな反論するのか楽しみだ」と述べました。

Change.org署名に協力を!

 金井保之理研労委員長は「理研ネットがホームページを開設しました。裁判支援のChange.org署名(https://chng.it/9DDT4fcM8v)をスタートさせました。ぜひ協力していただきたい」と訴えました。

 次回の口頭弁論は、さいたま地裁で10月27日(金)午前10時30分から開かれます。
 裁判の報告会は、終了後、埼玉会館7A会議室で開催されます。




理研の非正規雇用問題を解決する
ネットワーク(理研ネット)の
ホームページ開設にあたって

2023年9月11日

理化学研究所労働組合 執行委員長 金井保之

  我々理研ネットは、理研で働く任期制職員の雇止め問題解決のために、2018年に理研本部のある和光市を中心とする地区の市民、労働組合、理研労役員が中心となり結成された有志グループです。

  理化学研究所(理研)では、8割を超える職員が任期制職員であり、中には単年度契約を繰り返して10年、20年と研究所を支えている職員も多くいました。このような状況の中で、雇用の安定のために労働契約法が2012年に改正されました。理研で長年働く任期制職員は、改正された労働契約法18条(2013年4月1日施行)の趣旨に則れば、無期雇用への転換権を獲得できるはずですが、理研の経営陣は無期転換権獲得を避けるために事務系では5年の契約期間上限(起算日は2013年4月1日)で雇止め、研究系では10年の契約期間上限で雇止めをするという、就業規則の改定を2016年に行いました。

  理研は、2018年3月に5年の契約期間緒上限に達する340名を超える事務系職員の雇止めを強行しようとしました。理研労は、この雇止めが労働契約法の趣旨に反する違法なものであることを、市民の皆さま、労働組合、国会議員、マスコミに訴え、多くの皆さまの支援の結果、雇止めを回避できました。

  2018年3月の事務系の雇止めは回避できましたが、2023年3月には研究系の10年の契約期間上限での雇止めが予想されました。そこで、2018年11月21日に、事務系職員の雇止め回避の成果を踏まえて、研究系職員の雇止めをどのように回避するかを田村智子議員とともに語り合う集いを開催し、その場での雇止め当事者の訴えに答えるかたちで、理研ネットが結成されました。

  理研ネットでは、雇止め当事者にも参加いただき、月に一回の会合、理研ネットニュースでの活動報告を行いながら、2023年3月の研究系職員の10年の契約期間上限による雇止め阻止のために活動を継続してきました。我々の活動と皆さまの御支援により、雇止め対象の研究系職員の半数に雇用の道を開くことができました。しかし、残念ながら全面的な雇止めの撤回はできず、現在も失職した職員の復職、待遇などを変えられた職員の回復を求めて、また、今後の雇止めの阻止を目指して活動を行っております。

  この間の理研ネットの活動の情報は、ご支援いただいた皆様にお知らせしなくてはなりませんでしたが、不十分でした。そこで今回、理研ネットの活動を広く皆様にご紹介するために、ホームページを開設致します。

  今後とも理研ネットの活動への御支援をお願い致します。